最近、僕の脳裏を支配してやまないことがある。そのせいか、仕事に今ひとつ熱が入らない。いつも、気になっているのだ。何かと言えば、父親みたいに思っているボスが病で倒れたのだ。突然のことだった。ここ一週間がやまと医者が言ったようだ。
何か思い当たる節がないかと言えば、いつも、「きつい、きつい。ほんに歩けんごなった」と連発していたことだ。まああ、歳だから、ある程度の距離を歩くのは誰でもきつい。いつもの口癖で、酒も飲み、タバコさえ止めていなかったので、心配してはいなかった。
先週、パートさんに書類のタイプをお願いに来るといいながら、ちっとも来ないので、「どうしたのかなあ?ーー。忙しいのだろう」と安易に考えていた。事実、あれこれと、動き回っていたようだ。それが、突然、週明けに奥方から救急車で運ばれ、集中治療室へ入ったとの報告。我が耳を疑った。あんな頑丈なボスがまさか・・・・。
幸い意識はあるとの事で、翌朝、親戚の者と言って見舞いに言った。ベッドに横たわったボスの体は、弱弱しく見えた。ただ、僕の顔を見るや、照れくさそうに、ちょっと微笑んだ。僕は相手にしゃべらせまいと、少し大きめの声で、「このくらいで、くたばってどうしますか。大丈夫、大丈夫。仕事の残りは僕が引き受けましたから」と言って安心させて帰ってきた。
本当に人生とは分からないものだ。人間、いつまでも同じ状態が続くことはない。常に変化しながら、老化しながら生命体は生きているわけだ。会者定離、これは自然界の習いだ。
今日ふと、この備忘録を書きたいと思ったのは、、駅の中の本屋さんで、最近出た柳澤桂子さんの、「いのちの日記」という本を見つけたからだ。
前作、「生きて死ぬ知恵」という般若心経の科学的解釈というか、その内容に深い感銘を受けた。そして、今回の著書。今、この備忘録を書く前に読みあげた。まだ、十分に理解していない。恐らく、これから何度も何度も繰り返し読むだろう。
原子、分子レベルでの自然界の真実。肉体も机も椅子も原子の濃度の違い。要するに、すべてのものが宇宙の中の粒子と、ひと続きである。私がここにいると思うのは人間の幻覚である。これこそ「空」の考えではないか?。一元論的な考えではないだろうか?。このことが真実であり、真実の自分に立ち返ることで、苦悩や迷妄から抜け出すことが出来ると。
この本を読んで少しばかり心が楽になった。ボスの病も自然の中の一つの真実。僕もいずれ形を変えて、粒子となって宇宙空間に散らばるだろう。
ただ、そうは思えても、身という体をまとって、もうしばらくは僕と現世でコンタクトを取って欲しいと願いたい。これは、僕の執着、欲なのだろうか?。
何か思い当たる節がないかと言えば、いつも、「きつい、きつい。ほんに歩けんごなった」と連発していたことだ。まああ、歳だから、ある程度の距離を歩くのは誰でもきつい。いつもの口癖で、酒も飲み、タバコさえ止めていなかったので、心配してはいなかった。
先週、パートさんに書類のタイプをお願いに来るといいながら、ちっとも来ないので、「どうしたのかなあ?ーー。忙しいのだろう」と安易に考えていた。事実、あれこれと、動き回っていたようだ。それが、突然、週明けに奥方から救急車で運ばれ、集中治療室へ入ったとの報告。我が耳を疑った。あんな頑丈なボスがまさか・・・・。
幸い意識はあるとの事で、翌朝、親戚の者と言って見舞いに言った。ベッドに横たわったボスの体は、弱弱しく見えた。ただ、僕の顔を見るや、照れくさそうに、ちょっと微笑んだ。僕は相手にしゃべらせまいと、少し大きめの声で、「このくらいで、くたばってどうしますか。大丈夫、大丈夫。仕事の残りは僕が引き受けましたから」と言って安心させて帰ってきた。
本当に人生とは分からないものだ。人間、いつまでも同じ状態が続くことはない。常に変化しながら、老化しながら生命体は生きているわけだ。会者定離、これは自然界の習いだ。
今日ふと、この備忘録を書きたいと思ったのは、、駅の中の本屋さんで、最近出た柳澤桂子さんの、「いのちの日記」という本を見つけたからだ。
前作、「生きて死ぬ知恵」という般若心経の科学的解釈というか、その内容に深い感銘を受けた。そして、今回の著書。今、この備忘録を書く前に読みあげた。まだ、十分に理解していない。恐らく、これから何度も何度も繰り返し読むだろう。
原子、分子レベルでの自然界の真実。肉体も机も椅子も原子の濃度の違い。要するに、すべてのものが宇宙の中の粒子と、ひと続きである。私がここにいると思うのは人間の幻覚である。これこそ「空」の考えではないか?。一元論的な考えではないだろうか?。このことが真実であり、真実の自分に立ち返ることで、苦悩や迷妄から抜け出すことが出来ると。
この本を読んで少しばかり心が楽になった。ボスの病も自然の中の一つの真実。僕もいずれ形を変えて、粒子となって宇宙空間に散らばるだろう。
ただ、そうは思えても、身という体をまとって、もうしばらくは僕と現世でコンタクトを取って欲しいと願いたい。これは、僕の執着、欲なのだろうか?。
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