とうとうやって来た君
  
   とうとう君がやってきた。
   僕は固唾を呑みながら、君の一挙一動を観察している。
   あえて、君と書いたのは、日頃は友達だからである。
   地球と言う美しい星の担い手である君も、ときには怒る。
   その怒りを和らげんと、僕は用意周到に対策を施した。

   おっと、今、家が、ぐらぐらと揺れた。
   ガラス戸が「キシキシ」と泣いている。
   なんのこれしき。君の怒りもまだ、
   頂点に達していないようだな。
   僕はじっと待っている。
   今日は寝ずの晩になりそうだ。

   君が力を出し切った時、僕の力が試される。
   まだ僕が勝利するかどうかは分からない。
   というのも、君の顔は、
   いまだかってない憎悪の表情をしているからだ。

   君のおかげで僕は腰を痛めてしまった。
   日頃になく重いものを持ち上げたからだ。
   まあこれも、君を大事にしてこなかった罰かもしれないな。
   君が去った後、僕の腰の痛みも回復するだろう。

   かくして何事もなかったようにお天道様が復活するだろう。
   それが本来の君の姿だ。
   僕達はまた、親しき友となる。

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